♂GAME♀

最低最悪、意味不明。
もうホントに理解不能。

優しいんだか意地悪なんだか……

『ほんっと迷惑。 彼氏に誤解されたらどうすんの?』

以前立ち去ろうとしない輝に、腕組みしながら睨みつける。

しかし肝心の輝は動じる事なく、同じように腕を組んで悪戯な笑みを見せた。

反省心のない男。
どんだけお気楽なんだよ。

『とにかく、今後こういう事はしないでね』

見切りをつけるようにして言い捨てると、ようやく「ごめん」という謝罪を聞けた。

でもそれから間髪入れず、

『でも連絡なんてないじゃん。 ドッジしてた時も夜も』

……何でそう、痛いとこをついてくるんだ。
ずっと連絡を待ってた私に対して、智志は動こうとしなかった。

『俺だったら、好きな女を1人で夜道に出したりしない』

わかってんだよ、そんな事。
智志がどんな男かって事も。
もう私を愛してないって事も……

『余計なお世話だよ! マジ、あんた嫌われるよ!?』

勝手にわかったふりして、下手な口説き文句並べて……

自分だってホストじゃん。
誰とでも寝る最低ホスト。
最低最悪、馬鹿ホスト。

『ただの隣人に文句言われたくない!!』

目眩(メマイ)がする。
大きな声を出し過ぎたからか……

『ただの隣人……じゃねーんだよ』

肩を掴まれ、強く壁にたたき付けられる。
驚いて顔を上げると、そこにはいつものふざけた笑顔はなく、ただ真剣な顔付きで真っ直ぐに私を見る輝がいた。