『アパートの方ですか!?』
『神河さんとは面識ありますか!?』
素知らぬふりでアパートの階段を上り、報道陣の前に姿を見せる。
部屋までまだ距離がある。
それにしても凄い人数だ。
こんなに沢山の人が輝を目的に来てるなんて……
『あ、お隣りの方ですか!?』
鞄から鍵を出し、部屋の前までくると、あっという間に周りを固められた。
『神河さんとは、どんな関係で?』
マジでうざったい。
こんなふうになるから、誰も家族の事を輝に言えなかったんじゃない。
『どんな人か知りません。 全くの無関係ですけど』
一番前にいた女性報道陣を睨みつけ、きっぱりと言う。
そしたら、意外にあっさり追及をやめてくれた。
いつものように鍵を開け、部屋に入る。
まずは自分の荷物をまとめようと部屋へ向かった。
が、途中でいるはずのない人物に驚き腰を抜かしてしまった。
ペタンとお尻を着いた床が冷たくて、またもや驚いた。
『凄い報道陣の数だな』
どうして、ここにいるの?
『あの馬鹿ホストは一緒じゃないんだ?』
どうして、智志がここに!?
『何をそんなに驚いてんだよ。 俺に合い鍵渡してるの忘れてたんか?』
そうだ。
私、鍵を返してもらってない。
というか、ほとんど使ってないから合い鍵の存在自体忘れてた。
『ここまで世の中の反響が大きいとウケるよな、マジで』
『……え?』
智志、一体何を言って……
『ま、俺も自分とこの社長に隠し子とか、かなり驚いたけど』
誰かが輝の事を知ってて、それをマスコミに漏らした。
きっと犯人は、輝に興味がある女だと思ってた。
実際は違う。
全くの逆だ。
輝に好意のある女じゃなく、
輝に敵意のある男だった。
そう……
智志が犯人だったんだ……

