『おい、あれテレビの……』
ふと、そんな声が店内のどこからか聞こえた。
『あれだろ? ほら、あの社長のさぁ』
……ヤバイ。
変装してたって無駄だ。
髪色も顔立ちも、全てにおいて輝は目立ちすぎる。
『輝、お店出よう』
荷物を肩にかけ、伝票を取る。
それと同時だった。
《今までの寄付金は、全て息子さんの為だったんですね?》
頭上のテレビに、誰もが釘付けになったのは……
《せめてもの罪滅ぼしだと思って、いいんですね?》
強気に喰らいかかる記者に、社長は小さな声で「はい」とだけ答えたのだ。
『毎年、たいようの家にサンタが来るんだ』
『……は?』
突然の言葉に、マヌケな声が出てしまう。
『手紙で欲しいオモチャを伝えると、必ずそれをくれるんだ。 それがどんなに高いオモチャでも』
よく解らないけど、何故か嬉しそう。
いい思い出なんだなぁ。
『もうお店に無いようなオモチャだと、似たような物を用意するんだけど…… 何故か俺の欲しい物は無理にでも探して用意してくれてたらしい』
『……そうなんだぁ……』
『俺はサンタの特別な子だって先生が言ってたのを偶然聞いて、ずっと疑問に思ってたんだ』
特別な子……?
それって、もしかして。
『今日やっと気付いたよ。 俺は、そのサンタの息子だったんだって……』
やっぱり、中林社長の事だったのね。
でもきっと、罪滅ぼしなんかじゃないよ。
きっと、本当は、輝が大事な子供だからだと思うよ……?

