『あ、テレビつけていい?』
輝の愚痴が長引いて、気付いたら7時を越してしまってた。
『何? 何かあんの?』
『うん、ただのバラエティーなんだけどね』
最近ちょっぴりハマってるクイズバラエティー。
これが、マジに面白いんだよ。
『何か俺も長いことドラマとか見てないなぁ。 バラエティー中心で』
『あはは、私も! 老けてきたかなぁ』
そう話しながらリモコンを見つけ、電源をつける。
その瞬間、目を疑ってしまった。
バラエティーは中止。
代わりに臨時ニュースがやっていたから……
『何これ、すげ……』
テレビ画面を見ながら輝が言葉を漏らす。
『隠し子とか、想像もせんかったわ』
いやいや、あんた何食わぬ顔で言ってるけど……
これ、あなたの事ですから!!
《……と言う事は、中林社長は、認知されていないという事ですね!?》
チカチカと眩しい光の点滅に目を細め、沢山のレポーターに囲まれるのは、中林グループの社長。
つまり、輝の父親だ。
緊急記者会見という名で行われる拷問に、ただ俯いて沈黙を守っていた。
《~♪~♪》
呆気にとられていると、今度は何処からか、携帯の着信音が聞こえた。
『悪い、俺だ』
このニュースが自分の事だとは思いもしないんだろう。
何も動じる事なく、携帯を開く。
『はい、もしもし?』
まさか、マスコミ?
もう嗅ぎ付けてきたの?
『咲耶か。 何か用だったか?』
……何だ、咲耶だったか……
『はぁ? 綾香が俺を売ったって…… どういう事だよ』
え?
私が輝を?
売っ……た?
『中林……社長が? 俺の……?』
何よ。
一体、何が起こったっていうの!?

