ビールも5本目に入り、すっかり緊張の解けた頃。
『ほんっと腹立つんだよなぁ、本部の奴』
輝は愚痴を零しだした。
『売り上げ下がったら手の平反しやがって』
どうやら、輝の売り上げについて何か言われたらしい。
だけど、今までの体を使ってまで稼ぐって方のが間違いなんじゃ……
『ねぇ、ふと思ったんだけど、お客さんとエッチするのって罪になんないの?』
今まで当たり前と思ってたけど、よく考えたら援助交際みたいなもんなんじゃないの?
『そりゃ罪になんだろ。 売春行為なんだから』
『でも本部が……』
『本部は「性的サービスは行ってません」とか言ってんだから、ホスト個々の問題だな。 実際は本部も許可しちゃってんだけど』
……なんか、すごい話だよなぁ。
まるっきし違法だもん。
こんな世界、自分とは無縁だと思ってたのに……
『ま、今となっちゃ俺には関係ないんだけどね』
『あ、そっか』
もう体で稼いだりはしてないんだった。
ってか、売春……とか考えられない。
智志とのエッチでも少し嫌悪感があったのに、ましてや他人となんて……
『考えられない……』
と、ついポツリと呟いてしまう。
それを聞き逃さなかった輝は、「何が?」と苦笑してみせる。
『他人とするなんて嫌じゃないかなぁって思って』
『はは、慣れだよ、慣れ』
そう言って笑われるから余計に納得出来ない。
『頼る身内もないからさ、何が何でも稼がなきゃって気持ちもあったし』
ふいに目を伏せて、少しずつ言葉を繋げる。
こういう姿は、あまり見た事がないから、こっちも緊張してしまうよ。
『まぁ、時には客を綾香に重ねた事もあった』
『は!? 嘘!? いつ!?』
ちょッ、かなり嫌すぎるんだけど!!
『嘘だよ、ばーか』
って嘘かよ!!!
『もう、本当に最低ー……』
せっかくの高級リゾートなのに、ムードぶち壊しじゃん……

