占いの館の店内は、天井のステンドグラスから入った光がキラキラと輝いて、幻想的な空間になっていた。
『占いの館へ、ようこそ』
最奥には、黒のロングドレスを見にまとった女の人。
雪のように色白で、艶のある黒髪ストレート。
女の私でも魅入ってしまうほどの、美麗な顔立ちだった。
『お掛けになって下さい』
にこりと上品な笑みを見せ、私達を椅子(イス)まで誘導する。
『先にお名前と生年月日を聞いてもよろしいですか?』
椅子に座ったと同時、占い師はそう言って紙とペンを出した。
名前って、フルネームだよね?
私はいいけど……
輝は、自分のフルネームを知らないはず。
私がフルネームを口に出したら、どう思うんだろう。
ってか、咲耶との約束も破る事になるんじゃ……
『神河輝。 1989年10月13日生まれ』
『……へ?』
『彼女の方が、真白綾香。 1991年の……』
何?
何なの?
何で輝、自分の名前知ってるの!?
『ねぇ綾香、誕生日いつ?』
記憶喪失なんじゃないの!?
『綾香? 聞いてる?』
私、ずっと輝は記憶喪失なんだと思ってたのに!!
『2月5日だよ!!』
何かすっごい腹立つんですけど!
どれだけ私が気を使ってたと思ってんのよ!
それなのに簡単にフルネーム教えちゃってさぁ。
『二人の事を簡単にお話してもよろしいですか?』
と、口を尖らす私に、占い師さんはニッコリ。
何だか、とてつもなく恥ずかしい気持ちになった。
『まずは、輝さん。 警戒心が強く、非常に臆病な所がありますね?』
……臆病?
ってか、臆病な人間がヒトん家のベランダ伝うか?
『他人からの自分に対する評価が、人一倍気になるタイプだと思います。 そのため、周りに合わせたり、自分の意見を殺すのがとても上手ですよね?』
あ。
何か、輝っぽいかも。
『とても寂しがり屋で人懐っこい反面、プライドが高く、我が儘な所がありますが、そこを慕(シタ)ってくる方も多いのでは?』
……当たってる。
ちゃんと当たってるよ!?
名前と誕生日だけで、こんなにわかるんだ。
占いって凄いかも……

