園内は、カップルや親子連れでいっぱい。
数歩歩けば、誰かに当たる。
『さて、どれから行く?』
輝は大きな手を差し延べて、余裕の笑みを浮かべた。
『とりあえず簡単そうなの行く?』
『そうだな。 これは?』
カップル専用のパスポートと一緒に入場口で貰ったピンク色の紙。
そこには5つの乗り物について、ヒントが書かれている。
『子供に大人気。 夢の世界をクルクル回る白い動物達』
ヒントを坦々と読み上げる輝。
白い動物?
クルクル回る?
回転するって事?
あ、それって……
『メリーゴーランドじゃない!?』
全然そうだよ。
白い動物は、白馬の事だ。
『それしかないでしょ!』
この、答えを見つけ出す瞬間が堪らなく気持ちいい。
胸のつかえがスッと取れるみたいに。
『メリーゴーランドか。 よく思いついたな』
まるで子供を褒めるように、輝は私の頭を優しく撫でる。
なんだか、それだけで幸せだと思えちゃうのって、本当に幸せかも。
『すっげぇー。 二階建て!』
メリーゴーランドを目の前にして輝が声を上げる。
大きな二階建てのメリーゴーランド。
大小、数え切れないの白馬達。
可愛いハート形の馬車の横を通り、白い階段を上る。
『お手をどうぞ。 お姫様』
はにかんだように笑う輝は、本当に王子様みたい。
『あはは、白馬の王子様?』
『そう見える?』
『……ちょこっとね?』
本当はちょこっとなんかじゃないよ。
本当に絵本から出てきた王子様みたいだもん。
皆が私達を見てる。
私が羨ましいって顔してるよ……?

