♂GAME♀


《ピンポーン……》

翌日の事だった。
朝っぱらから鳴り響くインターホン。

扉の向こうに立っていたのは、

『……智志』

智志だった。

智志は、片手にコンビニ袋を下げて、立っていた。

『お土産』

お土産って……
突然すぎて、何が何だか……

『ゲームとやらは、終わったんだって?』
『え?』
『隣の奴が言ってた』

隣の奴って、輝の事だよね?
輝、智志と話したなんて一言も……

『だからもう、心配しなくていいってさ』

そう言って、靴を脱ぐ智志。

待って。
待ってよ。

違うんだよ。

『嬉しそうな顔しろよ。 せっかく戻ってきてやったのに』

今の私は、ゲームの事がなくても、智志といられない。

輝を好きになってしまったから……

『あと、お前の事、大事にするよう言われたな。 まるで父親だな』

大事に……?
輝がそう言ったの?

『ま、そんなわけで上がっていいか?』

やっぱり輝は、私を利用してたんだ。

ゲームのために、気のあるふりをしてたんだ。

やっぱり……

『何してんだよ。 早く来いよ』

と突然、腕を引かれ、リビングに。
抵抗する間もなく、ソファーに投げられた。

え?
これって一体……

『智志、待っ……ッ』

「待って」
その言葉が出るより先に、智志の手は、私の体をまさぐった。

『智志ってば!!』

跳ね退けたくても、男の力ってすごい。
ビクともしないんだもん。

『焦らすなよ…… しばらく会いに来ないから怒ってんの?』

『違ッ……!』

違う。
焦らしてなんかない。

嫌だ。
嫌だよ!

『こんなん、セフレと一緒じゃん!!』

私はずっと、この関係に疑問を抱いてた。
こんなの、恋人なんて言えないよ!