♂GAME♀

急いで外に出たかいもなく、すでに輝の姿は無かった。

確か公園って言ってたっけ。
公園、公園……
一番近くの公園かな。

普段行く事のない公園。
最後に行ったのはいつだっけ?
智志と付き合うようになってからは多分行った事ない気がするよ。



『あー……』

一番近くの公園に着いたと同時。
ボールを抱えた輝と目が合った。

やっぱココだったか。

『えと、何つったっけ名前』
『綾香。 真白綾香(マシロ アヤカ)』

こいつ、私の名前も知らないでキスしたっていうの?
信じられない。

『綾香ね。 俺は……『鬼ー!』

と突然、足に小さな痛みを感じ下を見る。
小さな小石が転がっていた。

『輝ー この人、鬼みたーい』

もう1つ小石が足に当たる。
投げているのは……

『子供……?』

6歳ぐらいの小さな男の子だった。

って、

『どこが鬼なのよ!!』

こんなにお洒落で可愛い鬼なんていないっての!

『だってー、髪の毛が金色で目が真っ黒なんだもん』

今にも泣きそうな子供を軽々と抱き上げ、輝は声を押し殺して笑う。

髪は染めてるし。
目はアイラインって言うんだよ。
本当、子供って嫌い……

『健、この人は鬼じゃなくってギャルって言うんだよ』
『ギャルー?』
『そう。 街に行くといっぱいいるから大丈夫だよ?』

……ってあんたまで何教えてんのよ。
腹立つんですけどー。

『ほら、先に皆とドッジやっといでよ』

輝は子供を下に下ろすと顎で公園の奥を指す。

皆?
その行動に疑問を抱き、健という少年の行く先を目で追う。
すると公園の奥には3、4人の子供が健を輪に入れた。

『ごめんねー。 子供ってズバズバ言うから』
『…別に。 慣れてるし』

それより、この集まりは一体…