『ここが…… 輝の母校……』
結局、半ば無理矢理に学校名を聞き出し、母校の前に来る事が出来た。
『勝手に入っちゃっていいもんなのかなぁ』
もしかして、こういうのを不法侵入って言うんじゃないの?
警察沙汰になって東京に戻されたりなんかしたら……
今までの苦労が水の泡になっちゃう。
一万もした切符だって、無駄になっちゃうよ。
『今日は休日。 先生だって少ないし平気だよ』
あっけらかんとして答える咲耶に口がパクパク。
さすがに一度忍び込んだだけあるなぁ……
『裏から入ろう。 職員室を避けて通れば大丈夫だよ』
『う、うん……』
不安だけど……
もうゲームに勝つためには、これしかないもんね!
『よし! 卒アル目指して突っ走るよ!』
「えいえいオー」なんて、手を上げて意気込んでみる。
こうすれば、少し強気にいける気がするんだ。
ほんの少し……だけどね?
『えっとー…… 卒アルはー……』
思っていたより簡単に校内に侵入できた私達は、図書室の棚と睨めっこを開始。
『あ、これじゃない!?』
一冊のアルバムを棚から出し、机にバンッと置く。
『うん、大正解』
咲耶が小さな笑顔を見せて、アルバムの表紙をめくった。
まず先生の写真があって、次のページからクラス写真が始まる。
まだみんな中学生。
1人ずつの幼い顔が並ぶ。
一組二組三組……
輝が見当たらないまま、四組へ。
そして見つけた。
『神河……輝……』
今より少し幼い輝の顔を。
『カミカワって読むのかな……』
「カミカワヒカル」と言う名を口にするのは初めてで、少し気恥ずかしい感じがした。
『これで、ゲームに勝てるんだ』
ようやく終わる。
永いようで短い一ヶ月が……
神河輝と始めた、あの馬鹿げたゲームが……

