『完全に行き止まりだね』
たいようの家を出た瞬間に、咲耶が言う。
たいようの家だけをヒントにここまで来た私には、もう打つ手がない。
……そんなふうに思ってるんでしょ?
『残念でした。 今から色んな所を回るの! 病院とか市役所とか』
ここに住んでたのは確かなんだから、1つくらい手がかりが見つかる。
近くのコンビニ、飲食店。
そして病院、市役所。
見つかるまで帰らないつもりで、仕事も休みにしてきた。
思う存分、輝を捜せるようにね。
『体力だけは有り余ってるって感じだな』
『まーね。 咲耶も、こうして見つけたんでしょ?』
フフンと鼻で笑って咲耶を見る。
すると、お腹を抱えて笑う咲耶が見えた。
『君みたいに無鉄砲な事はしないよ。 輝の通ってた学校に行っただけでさ』
『学校……?』
『市役所も病院も、個人情報にはうるさいからね。 学校なら、卒業アルバムが置いてあるだろ?』
も、盲点だった。
『そうか、学校かぁ』
名前を調べるだけなら、図書室に忍び込むだけでいい。
こんなに簡単な事を思い付かなかったなんて、不覚だったわ。
『で? どこの学校なの?』
さっそく案内してもらおう。
そう思った私に、また咲耶の意地悪が始まる。
『全部、回る気なんだろ?』
なーんてさ。
『回んないよ! 隣に知ってる人がいるのに全部回ってたら馬鹿みたいじゃん!』
冗談じゃないよ!
一体、この市内に何件の学校があると思ってんのよ。
『体力有り余ってんでしょ?』
『余ってないっつの!』
本っ当、性格悪すぎだよ!!

