初めて名古屋に行った時は、輝と一緒だった。
駅で買ったお弁当を食べて、私の分をあげたら凄く喜んでて、
なんだか、可愛かったなぁ……
『ところで、名古屋のどこに行くのか決まってるのかい?』
富士山を通り過ぎた頃、咲耶が言った。
『たいようの家だよ。 そこしか思い当たる所ないもん』
他にヒントはなかったし、たいようの家から情報を貰って広げていかなきゃ……
『輝の事を聞き出す自信は?』
『じ……自信?』
『まともに訪ねていっても、前回と同じだと思うんだ』
……確かにそうなんだ。
園長さんに聞いても無駄だったし。
何か別の方法で聞き出さなきゃいけないな。
例えば、相手が教えたくなるような聞き方……
同情とか、親近感を持ってもらえたら、きっと楽になる。
『そうだ! 咲耶の顔で園長を堕(オ)としちゃえ』
『は?』
『No.1ホストに言い寄られたら、いくら園長でもイチコロ~みたいな!』
うんうん。
我ながらいいアイデア!
惚れた弱みってやつよ!
『ふはっ、変な女だな!』
なんて、突然笑うから少しビックリした。
いつものイヤミっぽい笑顔じゃないんだもん。
普通の男の子みたいな……
ちょっと可愛いとか思えちゃう笑顔。
反則だよ……
『輝も飽きないだろうね。 君といたら』
『ま、まーね。 楽しそうだけど』
つか、褒められてんのか、けなされてんのか意味不明だし。
やっぱ可愛くなーい。
『勝てるといいね。 輝とのゲームに』
スーツを着ていないからか。
それとも無邪気な笑顔のせいか。
今日の咲耶は、いつもと少し違う……

