自分がこんな単純な人間だなんて、今までは知らなかった。
「格好良い」なんて言葉で舞い上がって、頑張ってみようなんて……
本当に呆れるくらい単純。
だって、たまにはご褒美が欲しいよ。
いつだって怒られてばっかだったから……
ねぇ、智志?
私、頑張って働いてるよ?
きっと「ただの派遣じゃん」って言われるんだろうけど、本当は褒められたいんだよ……
『あと一週間か』
仕事仕事って頑張ってたら、ゲーム終了まで残り一週間になってしまった。
本当に何も収穫ないし、息詰まっちゃったし。
どうしたらいいんだろう……
この数日間はずっと仕事。
お金ばっか増えて、輝の事まで手が回らない状態だった。
本当は何をするべきなのか。
わかっているけど、実行に移せないまま、今日まで来てしまった。
咲耶は口が堅い。
いくら待っても、彼から輝を知る事は出来ないだろう。
施設の園長も駄目だ。
輝と一緒に来れば……なんて、無理に決まってる。
だけど、他の職員達はどうなんだろう。
少しの噂でいいから、何か輝に繋がるものが見つからないかな?
噂好きのオバサンとか、1人くらいいるんじゃないの?
……名古屋に行ってみよう。
まだ、話してない人は沢山いるもの。
施設の職員から何も手掛かりがなくても、名古屋中の学校を調べたら何かわかるかも知れない。
輝の母校が見つかったら、住んでた場所もわかるかも知れない。
そうだ。
やっぱり、名古屋に行こう。

