僕等の透明な夏


ぐっと掴まれた腕は振りほどけない。

「好きなんだよ」


…好き?

驚いて勇介の顔を見上げた。

しかしあたしはすぐに目を逸らした。


『…ごめん』

「あいつが好きなのか?」

『そうじゃないけど…』

「諦めねーからな」