だから俺は 「コーヒー買ってくるね。」 と言った。 奈緒は表情に乏しく、常に周りから一線を置かれていた。まぁあれだけ整った顔の人が笑わないと怖く見えてしまうのは仕方ない事だ。 奈緒はああ見えて不器用なだけ。だからフォローを入れればいい。 そしたらーーー‥ 「浬都。」 「何?」 「ブラックな。」 「分かってる。」 ほら、しっかりと応えをくれる。 クスッとした笑みが漏れる。 「じゃあちょっと行ってくる。」 と言って俺は部屋を出た。