「近づかないの??」


「…は??」


「は??じゃないよ。せっかく小谷君好きなんだからさ、ちょっとは近付いてみたら?」


「近づくって…なによ?」


「そりゃー…メールとかさ。電話とか。遊んでみたり…。」


…電話?遊ぶ?メール?


男絡みの少ないあたしには、少し話が読めなかった。


好きでもない男とメールしなきゃいけないの?



遊ばなきゃいけないの?



電話しなきゃいけないの?



そんな考えしか持ってなかった。



だからアドレス帳も女子ばかり。


唯一、アドレス帳に入ってた井上も今じゃ消してるし…。



でも…蓮なら…。



「メールかあ…。」



「そうだよ!!メールだよ!!アドレス教えるし、一度メールしてみたら??」


そう言って洋服店の自動ドアを開ける絢奈。



「蓮なら…一度メールしてみたいかも…。」