「おねえ・・ち・・ゃん・・・。」



「真奈美。泣いてちゃだめじゃん。」



静かな廊下に、真奈美の泣き声だけが響いた。



あたしは泣かなかった。



こんな妹の前で泣く訳にいかない。



今、泣いてしまったら 真奈美は、もっとつらくなる。




「おねえちゃん、飲み物買ってくるね。」



「俺、行く。」


先生・・。



「大丈夫だよ。先生。」


先生に笑顔で言って見せた。



「そうか。早く帰って来いよ。」



「うん。」


それだけ言って、二人を後にした。



本当は、泣きそうになったから逃げてきただけ。


こんな泣虫なお姉ちゃんでごめん。


頼りないね。お姉ちゃん。