────ドンッ 滲んできた視界に少し戸惑い始めた頃、 後ろからなにかがぶつかってきた。 「ん……なっ」 あまりの衝撃によろめいた足元を踏張れば、 自分の足元に、 1つの影が伸びていることに気づいた。 「…………」 何も言わないで影を見つめてると、 ゆっくりと2つの影が重なった。 「……ッ?」 ぎゅっと締められる感覚に目を張れば、いま自分が抱き締められているのだと気づいた。 「……な、んで」 頬をつたうしょっぱさに混じって、 シトラスの香りがあたしの頬を撫でた。