そんな日々から三年が経った。


地元を離れてすぐの頃は寂しいと思ったり、あの日々に戻りたいと何度か思った。


だけど、今ではあの日々を懐かしむだけになり、大切な思い出として胸の内にしまっておくようになった。


時は確実に流れており、またあたしは今の生活を十分に楽しんでいた。


ある日のこと。とある学会で教授の手伝いに駆り出されていた。



開会時間が迫りそろそろ受付を締め切ろうか、という頃。



入口から走ってくる男子学生風の人が見えた。


「すみません。」

と息も絶え絶えに記名するその人に、笑いながら「大丈夫ですよ」と声をかけた。


その人が顔を上げた瞬間。



時がさかのぼった。