その日カナタくんは塾の夏期講習であたしは1人で図書館に行った。

場所取りのため朝から開館待ちの列に並んでいた。


「ミユウちゃん!」


急速に蘇る胸のうずき。
不安と期待であたしは振り返った。


そこにはあの大好きな笑顔があった。


「ミユウちゃん1人?」

「うん。カナタくんは夏期講習だから。アミちゃんは?」

「アミも塾。だから一人ぼっち〜、って思ってたけどミユウちゃん発見!したし、一緒に勉強しよ?」


「うん。数学苦手だから教えてもらうかも、だけど。」


「ハハッ。俺も英語苦手だから教えて?」


話すたびに高鳴る鼓動。


顔が熱くなる。


思えば今までキミと2人きりになることなんてなかったよね。


意識的に避けてたんだけど。