「俺が忘れさせるよ。」



「なんて、自信はないけど。」

おどけてカナタくんは言ってくれた。


そして真面目な顔になって、
「ミユウちゃんの嫌がることはしない。だから、傍にいさせてほしい。」


肩の力が抜けた気がした。
自然に笑うことができた。

「ありがとう。これからもよろしくね。」

あたしは手を差し出した。

カナタくんはやさしく握ってくれた。


ズルいかもしれないけど、このやさしさに今は包まれていたいと思った。


そう遠くない先に、キミを乗り越えられる日がくることを夢見ながら。