驚いてカナタくんを見ると立ち上がって「隣いい?」と聞いてくる。


断る理由もないからうなずいた。


肩に回される手。


あ、くる。


なんて冷静に考えながらも、体は固くなり、手を膝の上で握った。


カナタくんを見るどころか、顔をあげることさえできない。


カナタくんはかすれた声で「いい?」と聞いてくる。


緊張のあまり、知らない間に小さくうなずいてた。


肩におかれた手が一旦離されたあと、あたしの体の向きをかえさせる。


そっと顔を上げさせられて、頬にあたたかい感触が、それはすぐに唇へ。


されるがままのあたし。


何回かつつかれるように唇をあわせたあと、カナタくんは言った。


「ごめん」って。