ロールプレーイング17

僕は、おじちゃんに手を振った。にっこりと微笑みながら。
「おばちゃん、ありがとう、今日は日本一のカツ丼をたべることは出来なかったけど、、。だけどおじちゃんにも逢えてよかったよ。おじちゃんが元気になったら、また僚介と食べに来るって伝えておいて。」
 ありがとね、、。おばちゃんはにっこりと微笑んだ。
「おばちゃんも元気で長生きしてね。」
 僕は、おばちゃんの手をとり、熱い握手を交わした。力いっぱいに、、。僕の大好きな手、おばちゃんの手も、おじちゃんの手と同じで、深い皺が幾重にも重なり刻み込まれていた。
「またあいにくるからね。僚介と一緒に。」
 きっとこの場を離れたら、ここに来ることはきっと無いって、僕はどこかで思っていた。だけどこれが今の僕に言える精一杯の別れの言葉だった。

 店を出た僕は、さっきまでこらえていた涙が溢れ、まっすぐ歩くことさえ出来なかった。
僕から大切な物がことごとく奪われてゆく、、。
 そうだよ、、、こんな悲しい思いをしなきゃならないのなら、身が引き裂かれそうなこんな孤独を感じるのなら。ソラのいない鳥籠、僚介のいない毎日、のれんの掛かっていない和み、病気のおじちゃん、、、。涙を流す麗華さん、井上さん、、。そんな悲しみを知るこのない日常、、感情の無い日常、、、。見たくない、聞きたくない、、。僕は何もかも全てに腹が立った。ぶつけようの無い感情が、僕を導こうとした。

〝死ねばいい″

 死んだら全てが楽になる。こんな思いもうする必要も無い。知りたくない、味わいたくも無い、全てから開放されたい、、、。もしかしたら、、、。もしかしたら僚介にだって逢えるかも知れない。