「おいくらするの?」
うそだろ?買う気なのかよことわれよ、、、。
すると営業マンは意気揚々と答えていた。
「今ならサービス期間中ですので、もう一つ羽毛枕をお付けしてこのお値段になります。」
案の定母親はその商品を購入させられていた。印鑑とサインはお手の物だ。僕は噴出しそうになって、口を押さえた、バカじゃねーのか?こいつらわいつもサービス期間中なんだよ!
ほとんど家にいない父親はそんなことにも気付いちゃいない。弱者を守る町作り?聞いてあきれる家作りじゃないか。そんな親でも出欠席のことだけは、うるさく子供に言うあきれて聞く気もなくなるって感じだろ?だけど僕はうるさいことは、避ける主義なもんで、すでに、そのことに対する最高の策略はあみだしていた。

まず僕は、何時も通りに起床する。そうして妹と一緒に母親の作った朝食を食べる、それからいったん二階の自分の部屋にもどり、仕度をする。あたかも学校に行きますって見せかけるために。そのまま妹が小学校に登校し母親がそれを見送る。僕はその後すぐに制服を着て、階段を駆け下りる、振り返ることなく玄関を出て、台所から「いってらしゃい」と言う母親の声を確認する。僕はそのまま学校へ行く振りをして。そして家の裏のガレージに回り込み、静かに中に入り込む、ここまでくればもうあせる必要はない。半分は成功したも同然だ。
僕は、来ている制服を脱ぎ、それをカラーボックスにしまいこむ、制服を脱いだと言っても裸になるわけじゃない、その下にはちゃっかり私服を着てるってわけ。それから制服をしまうのと引き換えに、カラーボックスの中に隠しておいた〝僕にとっての必需品″の入った鞄をとりだす。必需品がなにかって?たいし物が入ってるわけじゃないけど、ハンドゲームが幾つかに、僕の愛読書が数冊、とにかく暇つぶしに必要な道具、って言ったほうが解りやすいようなもの。僕的にここまで揃えれば完璧ってレベルのアイテムを持って、そして今日一日のプランを考える。