ロールプレーイング17

「僚介がいなくなって、、心に穴が開いたみたいでした。」
 麗華さんは、解ってるよ、と言ったみたいにゆっくりと頷いた。
「僕、、死のうって考えました。だけど、、出来なかった、、、。意気地が無かった。そんな時思い出しました。僚介に死ぬなんて卑怯なやつがすることだって、、。僕はそれまで、世の中の死を恐れているやつらこそ、、臆病者で、弱いやつなんだと、勘違いしていたんです。バカだって思いますか?」

「思わない。誰だって間違えたり、迷ったり、それを繰り返して生きているのよ、、。後悔をしてそしてまた新しいことを知る。それでいいんじゃないかな。だだね一つだけ、、。」
 麗華さんは一息入れてから、、僕に話をつづけた。
「一君が、死んでしまったら、、ご家族もきっと悲しむわ。人はね、みんな一人じゃないの、誰かに助けられて、誰かと共に生きているのよ、、。それだけはいつでも忘れないでいないとね。」

 麗華さんの優しい顔を見て、この人は本当に強い人だって僕は感じた。

「悲しかったですか?」

 主語の抜けた、とんだ会話なのに、麗華さんは間髪をいれずに切り返した。

「悲しかった、、。身が引き裂かれそうだった。怖かった。運命をうらんだわ。一人でたくさん泣いちゃった、、。」

 麗華さんは、悲しみが遠い昔にあったことのように、そっと小さくため息を付いた。

 僕は不安だった。

「僕、、僕が死んだら、、、僕の両親は麗華さんみたいに、悲しんでくれるんでしょうか、、?」
 
「当たり前でしょ、、。自分の子が大切じゃない親なんてこの世界には存在しないのよ。」
 麗華さんはそう言い切った。世界にたった一つしか存在しない答えを言うように。