「赤城くん…」
「やべっ」


あたしが声をかけるのと、
彼がタバコをもみ消すのはほぼ同時だった。


「…大丈夫?」
あたしが聞くと、彼はキョトンとした。

その反応の意味がわからなくて、
今度はこっちがキョトンとしちゃう。

「何?」
「いや…
お前…センコーだろ??」
「そうだけど…何?」
「…目の前で
コーコーセーがタバコ吸ってたのに、
なんでキレねーの?」
「…ああっ!そっか!コラっ!」
「…ぶはっ」
急に笑い出す赤城くん。
「やっぱり
にゃんこちゃんはにゃんこちゃんだね」
「タバコなんかより…」
「?」
「…心配だったんだもん。
今日なんか様子おかしかったし…
そしたら本人に会えたから…」
「…にゃんこちゃん。
俺なんかに優しくしちゃダメだよ。」
「なんで?」
「なんでって(笑
俺、悪い学生じゃん?(苦笑」
「…」

あたしの頭の中は混乱していた。

あたしが知ってる限り、
彼はそんなに悪い人間じゃない。

そう思うのは、
あたしが彼のこと気になってるから…?