あれから数日。
赤城くんから電話がかかってくることはなかった。


「そういえば…」
職員室で瀬川先生が声をかけてきた。

「うちの赤城、
先生んとこの前川サンと付き合ってるんですね」
名前を聞いただけで、
なぜかドキッとしてしまう。
「こないだ手ぇつないで
一緒に帰ってるの見たんです」
「ああ、そうですか(苦笑」
「赤城のどこがいいんだか…
前川サンって成績は?」
「クラスでは
だいたいいつも上位ですね」
「はぁ~…赤城も見習って勉強しないかなぁ…
彼女、進路もう決めてる?」
「学校はまだ未定ですが、
とりあえず国公立大で英語が勉強したいそうです」
「いやぁ、しっかりしたお子さんでうらやましい(笑
彼女と同じ大学行く、とか言い出さなきゃいいけど…」
「赤城くんは勉強は…?」
「ん~…
別に頭は悪くないし、
結構知識もあるほうだけど、
基本的に全く勉強しないし、
生活態度は最悪だし…
正直進学は難しいかも(苦笑」

その時、電話が鳴った。

「…はい、はい」


「瀬川先生!
赤城響介が補導されたそうです!」