「いいわね、長い休みがあって」
「桜さんはないんですか?」
「ある事はあるけど、そこまで長い休みはないわね」
まあ、普通に考えてそうだな。桜さんは社会人で、かなり高い地位に立つ人だもんな。
それは仕方ないが、少し残念だ。
「そうなんですか…。色々行きたいなぁと思ってたんですけど…」
それを聞いて桜さんは、華やかな顔を更に輝かせた。
「どこに連れてってくれようとしてたの?」
「広い公園とか、大きな図書館とか、夜中に出発して海に朝日を見に行ったり…」