その言葉にキュウは悩んだ。

神様のいう事を守らないといけないけど、・・・どうしても下界に下りてみたい。

どれだけ優秀な天使でも輪を貰うまでには軽く300年は掛かる。

キュウではいつになるかなんて、想像もつけることは難しいのだ。

そこで一度でもいいのでキュウは下界を見たいと神様に話した。


ならば着いてくるがいい。神様は心良く受け入れてくれた。
神様は長い間、人間界を覗いていたキュウを不憫に思い神殿の奥へと導いた。

室内にも関らず木々が生え草や緑が美しい。大きな滝や川までもがあった。

そこを更に進むと大きく黄金の水瓶が置かれていた。

そこの前に神様は立ち、キュウを手招いた。

近くに行くと神様はキュウを抱きかかえこう言った。

神「キュウよ、これは特別にする好意だ。勝手に見たりしてはいかんぞ」

そう言うと神様は水瓶の中を覗き込む様にキュウに言った。

すると中では髪が肩くらいまでの可愛らしい女の子が出てきた。

小さな家の中で写真を見ながら一人で泣いている。

キュウは解らず神様に尋ねた。

キ「どうしてこの少女は泣いているんでしょうか?」

神「先日・・・命のローソクが消えてしまったのだよ。この子の唯一の身内である母のな・・・」


キ「そうだったのですか・・・どうして人間のローソクはこんなに短いのですか?」


神「ソレは天界に生きるものと違うから仕方ないのじゃよ」

キュウは不思議に思ったがそれ以上は深く神様に問う事はしなかった。