「い、痛いよ…」 声が震えた。 桜井くんは立ち止まって、ワタシの方を見ると、「ごめん…」と言って手を握った。 あり得ない速さで心臓が脈を打ってる。 手のひらを伝って心臓の音が桜井くんに届きそうなくらい。 ついた先は屋上だった。 手を離して桜井くんは壁にもたれてうつむいた。 「…こんなことして、カッコ悪いって分かってるけどさ、」 真剣な顔でこっちを見る。 「聞いてほしいんだ、みさとちゃんに」