カカオ90%チョコ



「い、痛いよ…」


声が震えた。
桜井くんは立ち止まって、ワタシの方を見ると、「ごめん…」と言って手を握った。

あり得ない速さで心臓が脈を打ってる。
手のひらを伝って心臓の音が桜井くんに届きそうなくらい。


ついた先は屋上だった。

手を離して桜井くんは壁にもたれてうつむいた。


「…こんなことして、カッコ悪いって分かってるけどさ、」

真剣な顔でこっちを見る。


「聞いてほしいんだ、みさとちゃんに」