「何すんのよ!」

「これがある限り、若菜は俺のだから。」

「あたしはあんたなんかのモノじゃない!」

「俺の、だよ。
それがある限りは…ね。」

「ーーーーーーっ!!!」

「全くの時間外勤務だ。
じゃあ、ちゃんと次の所予習しておいてね。
若菜チャン。」

バタン

「二度と来るな……っ。」

あたしはドアに向かって小さく言葉を吐いた。

「ーーーーーっ。
ぅっ…………。うぅ。」

あいつがいなくなった瞬間、涙が溢れ出た。

泣きやめ、泣きやめ!

あたしには泣く資格なんかないんだから。

あたしは理性に勝てなかったんだから。

あたしは、慶斗を裏切ったんだから。

泣きやめっ!!

「うーーーー。うぁっ。
ぅぁぁあん!うぁぁぁ、ぅあぁああんっ。」

「…………っく。ひっく。
うぁ、けいっ……。
けいっ、とぉっ。」



泣き疲れて眠るまで、あたしは泣き続けた。