理性を捨てたんだ。

自分の欲望の為に。

快感なんかの為だけに。

こいつとSEXをした。

「ねぇ。SEXは愛があるから気持ち良いとか、愛を確かめ合うモノだって言うけど、あれ嘘だから。
まぁ俺と寝た若菜にはもう分かってると思うけど。」

「何が言いたいんですか。」

「んー?SEXに必要なのはテクニックって事。
それとさ。君の彼氏は君とSEXして気持ち良いけど、君はそうじゃない。
SEXっていうのはね、相手イかせてナンボだから。」

「自慢がしたいだけ?
ていうか!慶斗の事悪く言わないで下さい!!」

「へぇ、彼氏"慶斗"って言うんだ。
てか、自慢じゃなくてさ。
俺がお前を気持ち良くさせてあげるって言ってるんだけど。」

「結構です!!」

拒絶の気持ちを伝えると、あたしは耳に息を吹きかけられた。

「ぁっ………。」

「やっぱりまだ敏感だね。
カラダは求めてるみたいだけど?」

「そんな事なっ……ぃった…。」

あたしは鎖骨の上辺りに鋭い痛みを感じた。

“ちゅうっ”とわざとらしいキス音が響く。

抵抗をしようとしたとき、こいつの唇が離れた。

「なっ!」

まだ少し痛みが残る。

付けられたんだ。

"キスマーク"を。