一途なカラダ。

「そんな露骨に嫌そうな顔しないでくれる?」

「嫌そうじゃなくて嫌なんです。」

「ふーん。」

そう相槌を打つと、こいつはあたしの部屋に入っていった。

「ちょっ!勝手に!」

入らないでよ。

「家庭教師だもん。
入らなくちゃ教えれないでしょ。
それとも何。
わざわざ許可取らなきゃいけないわけ?」

ずるい。

ネチっこく、でもその通りの事を言ってくる。

むかつく。

「別に、いいですけど…。」

「そう?なら早速勉強始めよっか。
ノート出して。」

「はい。」

「確か火曜日が数学で金曜日が英語だったよね。
これ、昔俺が使ってたやつ。
これ使っていくから。
少し古いけどあげる。」

「………ありがとうございます。」

渡されたのはぶ厚く、よれた数学の参考書とそれの解答だった。

「それ、解説詳しくて割と分かりやすいから。
問題もある程度の難しさだし。
とりあえず2~5ページを解いて。
分からない所は飛ばしていいから。
そのときはノートにちゃんとスペース空けておいてね。」

「はい。」