タオルケットを取り出し、体に巻き付け床に横になる。

それでもまだ少し背中が痛いけど、ベッドで寝るよりもまし。

“まだ、少し熱があるみたいだけど…。
顔もまだうっすらと赤いし。”

お母さんの言葉を思い出し、少しの安堵に浸る。

あの言葉はつまり、最後までシてないって事だ。

「良かっ、たあぁ……。」

少しだけ、救われた気がした。

気のせいだって、分かっていたけど……。

―――

「んっ。」

背中が痛い。

起きると床の上だった。

そっか、あたし昨日床で寝たんだった。

タオルケットを畳もうとしたとき、何かが右手に当たった。

そこに在ったのは、点滅した携帯。

「メール、慶斗?」

急いでメールを開く。

《若菜へ。夜遅くにごめんね。
さっきまで飲み会だったから…。
こんな時間になっちゃって。
起こすといけないので、メールにしました。


前期試験が近くて、当分会えそうにないんだ。
1つでも落としたら進級出来なくて。
だから……。
本当にごめんね……。》