あの日から一週間。

あたしは慶斗に会えずにいた。

―――

「ん……。」

気がついたときにはあいつは既にいなくて。

あたしは服を纏っていた。

それはきっとあいつが着せたって事。

複雑な気持ちで、時計を見る。

長針は1を、短針は7を指していた。

つまりは7時過ぎ。

あいつが家に来たのが確か12時半頃。

だとすると、あの行為の途中であたしが気を失ったのは少なくとも2時前。

軽く5時間は寝ていたということだ。

下に降りるとお母さんが夕食を並べていた。

「あら若菜、もう大丈夫なの?」

「え、何が?」

「小早川先生が貴方が少し熱があるらしいっておっしゃってたから。
先生が帰られた後貴方の様子を見に言ったら確かに少し顔が赤くって…。」

「……………。」

上手いこと言うなぁ、あの詐欺師。

こうも簡単にお母さんを信じさせて。