ギッ、ギッ、ギシッ

「んっ、あっ。はぁ。」

「若菜-わかな-、可愛い。
気持ち、いい?」

「ん。はぁ。だ、から早…く。んぁっ。」

嘘。

本当は気持ち良くない。

“気持ち良くない”って言い方は語弊があるかな。

あたしはほんの少ししか“感じない”んだ。

だからSEXで“イく”なんて事、あたしには有り得ない。

慶斗-けいと-の指も、舌も、ソレも。

あたしは気持ち良いと思えない。

ピッ

あぁ、いよいよか。

あたしの、一番の我慢処。

だけど、これさえ済めば、あたしはこの憂鬱さから逃れられる。

その為にあたしは、気持ち良くもないのに喘ぎ声を出して、慶斗のソレを求める。

ギッ、ギギッ

ベッドが軋む音が、今まさに繋がろうとしている事を示している。

この瞬間が、一番嫌だ。

あまり濡れないていないから。

だから、痛い。

摩擦を減らすものが少ないから。

だけど、それも後少し。

「くっ、大丈、夫か?
わか…な。」