いとも簡単にこいつの右手はあたしのソコへ到達する。

「ほら、本当はもう分かってるんでしょ?
自分のソコが濡れてる事ぐらい。
あんな短いキスだけでこんなにはならないよね。
キミは俺に、欲情したんだよね。」

悔しい。

そうだ。

こいつの舌の動きを見て疼いたカラダ。

それは、こいつに欲情した証。

「でも、キミすごいよ。
本能で俺が上手い事わかったんだから。
それかよっぽど欲求不満なのかな?」

悔しい。

むかつく。

きっとあたしは後者なんだ。

"気持ち良い"はずのHが気持ち良くない事に、不満があったんだ。

皆が言う"気持ち良い"が分からないから。

「まぁ、そこまで欲求不満なら俺が満たしてやるよ。」

こいつはネクタイを解き、それであたしの手首を縛る。

体の位置は変えないまま。

「結構です!そんなの要らない!」

「遠慮なんかしなくていいから。」

「遠慮なんてしてなっ!
あっ!?」

何、今の声……。

「俺も、遠慮なんてしないから。」