「ふーん……?」

さっきまでの好青年ぶりはなく、妖しい色を瞳に秘め、舐めるようにあたしを見る。

まるで、挑発するように。

「な、なんですか?」

「いや、ちょっとね。
こーこ。」

家庭教師は自分の左鎖骨辺りを指差した。

あたしのそこは……。

「彼氏、独占欲強いんだね。
まるで"手を出すな"って言ってるみたい。
それ付けられるとき、痛かったでしょ。」

すると家庭教師はペロッと自分の上唇を舐めた。

ドクッ

「!?」

何、これ。

あたし、どうしたの?

その仕草を見ただけで、カラダが疼いたのがわかる。

「へぇ、そんな強く痕残すのにSEXは上手くないんだ、彼。」

「なっ!そんなことっ。」

なんであんたに分かるの?

あたしは慶斗がHが下手なんて知らない。

気持ち良くないのはあたしのカラダが感じないから……。