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「……あいる」
「え‥」
それは、私の本当の名前‥。
“あいる”
全ての未来に可能性を。
って意味で、I willから付けられたの。
まさか、覚えてたなんて……。
その時、
「わっ」
ふわっと身体が動いて、ギュッときつく抱き締められた。
私の顔は、コイツの逞しい胸にゴンってぶつかって、苦しかった。
胸に顔をうずめながら、トクンと鳴った心臓。
ほら。
身体中がコイツのことを好きだって言ってるよ。
でもーー‥今はただ、
それが苦しい‥っ
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「俺、死にそうだ」
低い声が私の頭に降ってきて、抱き締める腕が、強くなる。
「お前にだいっきらいとか言われたら、俺‥死ねるし」
……言ってる意味を、理解できなくて。
「お前、いろいろ勘違いしすぎ」
ズキンとドキンを交互に鳴らす、慌ただしい私の心臓。
でも、聞こえる‥。
私のおでこのところにある心臓も、私のと同じくらいに……

