たぁ坊とるぅ *32page*




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弾けた破滅は、ウワンウワンと、固いコンクリートによく響いた。


流れる沈黙の間に吹く風は、もう渇いて涼しくて。

暑い季節はもう終わり。

だんだんと枯渇するそれは、冬の足音に違いなかった。




「それだけか」




ただでさえ低い声を、更に低くして言ったコイツの顔なんて。

見ることなんか出来なくて。




「言いたいことは、それだけか」




私は下を向いたまま、コクンと首を落とした。


もうこれ以上、言葉は出てこない。

頭も心もカラッポ。


涙すら、もう出ては来なかった。



ただただ見つめる灰色のコンクリート。


だぁれも居ない校庭は、耳が痛くなるような静けさで。


目の前に居るコイツの匂いが、妙に私を冷静にさせた。




「はぁー‥」




ボタンが取れてしまって合わせられないブレザーが、

バランス悪く結ばれたネクタイと一緒に、私の視界をチラチラしてた。





「それ‥全部、お前の本心か?」




ほん‥しん‥


私は、頷くことも、首を振ることも出来なかった。



だって、だいっきらいなんて……嘘だもん。

ほんとは、大好きで大好きでしかたがなくて。


でも、口が勝手にそう言ったんだもん。



ーー‥大好きだもん。