ーーーーーー‥
ーーーー‥
弾けた破滅は、ウワンウワンと、固いコンクリートによく響いた。
流れる沈黙の間に吹く風は、もう渇いて涼しくて。
暑い季節はもう終わり。
だんだんと枯渇するそれは、冬の足音に違いなかった。
「それだけか」
ただでさえ低い声を、更に低くして言ったコイツの顔なんて。
見ることなんか出来なくて。
「言いたいことは、それだけか」
私は下を向いたまま、コクンと首を落とした。
もうこれ以上、言葉は出てこない。
頭も心もカラッポ。
涙すら、もう出ては来なかった。
ただただ見つめる灰色のコンクリート。
だぁれも居ない校庭は、耳が痛くなるような静けさで。
目の前に居るコイツの匂いが、妙に私を冷静にさせた。
「はぁー‥」
ボタンが取れてしまって合わせられないブレザーが、
バランス悪く結ばれたネクタイと一緒に、私の視界をチラチラしてた。
「それ‥全部、お前の本心か?」
ほん‥しん‥
私は、頷くことも、首を振ることも出来なかった。
だって、だいっきらいなんて……嘘だもん。
ほんとは、大好きで大好きでしかたがなくて。
でも、口が勝手にそう言ったんだもん。
ーー‥大好きだもん。

