───ピピピッ ピピピッ


鳴り響く不快音。




───ピピピッ ピッ


乱暴に目覚まし時計を止めて、もう1度布団にもぐる。






もう何度寝したかは不明。

今はたぶん正午。






そんな時、オレの睡眠の邪魔………

じゃなくて、親切に起こしてくれる人物が。




「こちら、お留守番サービスです。
イケメン太陽王子にメッセージをどうぞ」


ケータイを手に取って通話ボタンを押す。

もちろん、喋ってるのはオレ本人だから、お留守番サービスは嘘。



『そんなに俺に殴られてぇの?』


案の定相手も気づいたらしく、低い声が返ってきた。




「そんなにオレを殴りたいの〜?」

『うぜぇ黙れ。
つーか、また寝てただろ』

「翼、オレのモットー忘れた〜?
遅寝遅起きは神だぜ〜?」




幼なじみのオレと翼は、たいてい無意味な電話をする。


……が、今回は少し違う?





『今夜あけとけよ。
どーせ遅寝すんだから暇だろ』

「暇暇暇っ!」

『今から買い出し行くから、いつもの店の前に来い』



───ツー ツー ツー‥



あ、切られた。


翼が言ういつもの店は、オレら幼なじみが夜遊びする日に立ち寄る店で。




今日、何すんだ〜?

疑問に思いつつも、いつも通り芽咲にメールしながら家を出た。





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