花火を持った男子3人が近づいてくる。

芽咲から連絡をもらって、あたしも参加することにしたプチ花火大会。




「おまえ、コレ開けろ」


翼から1つの花火セットを受け取る。




「線香花火は最後にとっとこうねぇーっ」


芽咲の意見の通り、みんな線香花火を除いてバラバラに花火を手にした。




「ちょっ、白石、危ないっスよ」

「がっはっはっ、オレは無敵だぁ〜!!」



花火を振り回す太陽と、それを避けるように遠ざかる歩夢。



「太陽、危ないからやめてよぉ」


芽咲の注意で少しおとなしくなったものの。

1番はしゃいでるのは太陽かな。




あたしはふと思い立って、宙に花火を舞わせる。


何をしたのか、わかるよね?

花火の煙で字を書いたの。




「¨き¨……?
おまえ、今なんて書いた?」


背後から声がして、驚いて振り返ると。


「つ.つばさっ!」

「なに驚いてんだよ」

「だだだ.だって!」

「で、さっきおまえが書いてた文字は?」



うっ、それは言えない。



「翼には、教えてあげない」

「なんでだよ?」

「……内緒」




そう。まだ内緒だよ。


宙に書いて儚く消えた言葉は。


冬になったら、教えてあげられるから。





あなたへの気持ち。


¨ だ い す き ¨





[END].