S的?遊園地

「結局『さん』付けか?」

その言葉に、ワザとらしくため息を付く。

「嫌ですか?」

私は、探る様に尋ねる。
すると慎さんは自分の胸に、私の頭を引き寄せた。

「嫌では無い。」

慎さんの香水なのか、とても良い匂いがする。
何だか幸せな香りだ。

「お前のバイトの動機は、遊ぶ金欲しさじゃ無かったよな?仕事への姿勢も真面目だし。」

急に語り始めた慎さん。
そんな風に思っていてくれたと思うと、素直に嬉しかった。
私は、静かに耳を傾けた。

「だが俺に立てつくし、無駄にヤキモチ妬かせるし。何だお前は。」

折角褒めてくれたと思ったのに...。
私は、反論しようと顔を上げた。
と、同時に唇を塞がれる。

「言い訳無用。」

そう呟くと、唇から首筋へとキスが移動していく。
ゾクゾクする感覚に襲われる。

「言っておくが、俺は独占欲が強いし、我が儘だぞ?」

(知ってます。そして、口が悪いです。)
私は心の中でそう思ったが、現実には頷くのがやっとだった。
ボーッとする頭で慎さんを見つめる。

「覚悟しとけよ?可奈子。」

名前を呼ばれ、ドクリと心臓が鼓動を打つ。
顎を掴まれ、キスをされる。
これまでと違う、二人の気持ちを確かめる様な深いキス。

始まったばかりの二人の関係...。

何が起こるのか想像出来ない。
と言うよりも、今この甘い時間に何も考える事が出来なかった。

「可奈子。」

長いキスから開放されると、慎さんが熱っぽく私を見つめた。

「誰にも渡さねえ。」