S的?遊園地

それにしても、並んで料理をするなんて...
(まるで同棲してるみたい。)
私は何だか嬉しくて、頬が緩んでいった。

「何、ニヤニヤしてんだ。気持ち悪い。」

その顔を見られたのか、平畠さんが飽きれた様な表情をする。

「気持ち悪いって、酷いです!」

私は、ワザと拗ねた様に顔を背けた。
すると、背後で平畠さんの気配がした次の瞬間、腰をグッと抱き寄せられた。

「そんな態度を取ったらどうなるか分かっているのか?」

私が持っていたボウルをそっと奪い、耳元に顔が近付いて来る。
息が柔らかくかかり、くすぐったい。

「どうせ『同棲してるみたい』とか思ったんだろう?」

考えていた事を当てられ、返す言葉もない。
私は恥ずかしさで、耳まで熱くなってきた。

「そう言えば、さっきの俺の問いに答えてなかったな。」

そう言うと、私の腰をクルリと回し、二人が向き合う様な格好になった。
平畠さんは、不敵に笑みを浮かべている。

「俺の事どう思っているんだ?」

先程と同じ問いかけをする。
恥かしいが、この距離感で見つめ合うのはもっと恥ずかしかった。

「私は、平畠さんの事をすー。」

言葉を待たずに、平畠さんが私にキスをする。
あの時とは違う、優しいキスだった。

「聞こえなかった。」

唇を離すと、平畠さんは意地悪くわらった。
(ワザとのクセに。)
私は、分かっていたが気付かないフリをした。

「ですから、平畠さんのー。」

また、言葉の途中で唇を塞がれる。
楽しそうに笑う顔は、悪戯っ子の様で憎めない。
コレも惚れた弱味なのだろうか?

「悪い。お前ってイジメたくなるんだよ。」

それは、ただ単に平畠さんがSなだけなのでは?とは言えず、私は無言で抵抗するしか無かった。