今日は朝から彩の『直ぐウチに来て!』という呼び出しのメールで目を覚ました。
バイト中に無駄に色々考える事があったので、今日はゆっくりと寝ていようと思っていたのに。
何事かと家に行き呼び鈴を鳴らすと、興奮した様子の彩が飛び出してきた。

「右田さんから告白された!」

そう言うと、私に飛びついて来た。

「わわ、ちょっと落ち着いてよ。」

何とか彩を落ち着かせて、詳しく話を聞く。

送別会の後にメールアドレスを交換した二人は毎日メールをし、昨日のバイト帰りに始めてご飯を食べたらしい。
ご飯の後、夜景が見える公園へ行きー。

「『これからは、彼氏として彩ちゃんを守りたい』って!それで、私も『よろしくお願いします』って言ったの!」

そんな親友の恋愛話に、報告が終わる頃には、悩んでいた私もすっかりテンションが上がっていた。
右田さんは無事に、斎藤さんから彩を守る事が出来た様だ。

「良かったね、彩。」

幸せそうに話す彩に、私も微笑ましい気持ちになる。

「それで、車の中でずっと喋ってて。祐くん今日も仕事だから、さっき送ってもらったの。」

「さっきまで?」

次の日仕事なのに徹夜で喋るって、右田さんもよっぽど嬉しかったのだろう。
(っていうか、『祐くん』って呼んでいるのね。)
私の知っている人同志が、知らない間に付き合っていて、今までと違う呼び名で呼び合っているのが、少しむずがゆかった。