「右田祐輔です。宜しく。」

彩の目の前に立った右田さんは、微笑みながら握手を求める様に手を差し出した。

「渡辺彩です。宜しくお願いします。」

彩も、それに応えるように手を差し出す。
彩の手を握ると、右田さんはにっこりと笑った。
優しそうな目元と少し日焼けした肌、真っ白な歯が印象的だ。

「彩ちゃんにはメリーゴーランドを教えるね。」

右田さんは彩の右手を握ったまま、部屋の外へ促す。

「メリーゴーランドですか?楽しみです。」

彩も笑顔で答えている。
二人は楽しそうに話ながら部屋を出ていってしまった。