私も後に続くが、ドアを開けた先に平畠さんの姿は既に無かった。
中は暗く足元に薄く明かりが点っている。

「え〜、スタッフが通る所まで暗くする必要無いじゃん。」

私は壁を伝いながら歩く。
明るい外から入ってきたばかりなので、まだ目が慣れない。

文句を呟きながら進むと、手に出っ張りが触れた。
目を凝らして見ると、ドアノブだった。
耳を澄ますと、中から人の話し声がする。

(ここかな?)

ゆっくりと扉を開け中を覗いた。

まず目に入ったのは白い着物…。

徐々に目線を上げる。

白い手に、黒い髪、白い顔…に血?

「キャー!お化け!」

私はその場に座り込んでしまった。