「でも、平畠さんってカッコいいよね。身長高いし、細いし、メガネ男子だし。何かモテそう。」

私は彩のその言葉に、飲んでいたコーラのカップを勢い良くテーブルに置いた。

「見た目に騙されちゃダメだよ!超ドS!口も性格サイアクなんだから!」

私は、思わず力が入り椅子から立ち上がった。
確かに、私も見た目は一瞬カッコいいとは思った。
しかし、その容姿を打ち負かしてしまうほどの口の悪さ...
カッコいいと思ってしまった自分にも腹が立った。
彩は私の両肩に手を置くと、力を込めて椅子に座らせた。

「はいはい、分かったから。落ち着いて落ち着いて。」

鼻息荒く力説する私を見て、彩はプッっと吹き出した。

「可奈子、顔真っ赤だよ。」

彩は肩を震わせて笑っている。
私はとっさに、頬を両手で覆った。

「うっ、ウソ...。」

確かに、触れた自分の頬が熱を持っている。
それ程、怒りで興奮していた様だ。