何となく見つめた
教室の床

ヒビの入ったその床を
ぼーっと見つめる私

大きく入ったそのヒビは
よく見るシーンに
よく似ていた

私の席からだけ見える
とっておきのアングル

淡い緑の優しい色に包まれて
二人は甘いキスを交わす

卒業を控えた私のアルバムに
優しく甘いキスシーンが
加わった

こんな風に
床の模様一つで舞い上がる
純な心を
大人たちが忘れてしまう
粋な心を

私はこのキスシーンと共に
胸の奥にずっと
秘めていたい