「涙華? 知り合い?
 
 あの制服… 龍星だよ。
 
 あんたの元彼と一緒じゃん。」

「前絡まれてた時助けてくれた人なの。」

「はぁ あんた絡まれてたの?」


彼は私たちの座ってる席に近づいてきた。

「昨日は本当にありがとうございました。」

再び彼に頭を下げた。

「誰誰 この可愛い子!」

彼の後ろにいた 女子より可愛いのではないかと
思うぐらい かわいらしい男の人が言った。

「お前は黙ってろ。」

その人にそういうとシュンとしてしまった。
 
「もう良いって。
 
 気をつけろよ あんたよく狙われそうだし。」

よく狙われる? たしかにそうだけど…

てか あんたじゃないし

「私あんたじゃありません。
 
 涙華です。」

「涙華」

ただ 彼は私の名前を呼んだだけなのに
私の心臓は五月蝿く動いていた。

「零蒔」

彼はボソっと言った。

「レイジ?」

「あぁ 高橋零蒔[タカハシレイジ]だ」

「高橋零蒔って…」

黙っていた柚歩ちゃんが口を開いた。

「柚歩ちゃん?」

「あんた 龍星で一番強いとか言われてる
 高橋?」

「まぁ そうだな。」